緑翔/竜門勇気
 
いなら
はなから
泣きながら
糞して
飲んだくれてるほうがまし

全くそういう訳だと
誰かに話したかったが
最初から全部
僕の作り話なので
僕は僕に
それは正しいよ、と
説き伏せるのが精一杯だった

窓の外は
本当に緑が濃かった
作り話は
きっと
窓の外で
本当に起きている

だが
探しに行く熱も
夢も希望も
残っていない

これだけは
本当だった

作り話が
便所の水の中で
藻掻きながら
流れていく

ほんの少しの熱も無い
何にも起きない
ほんの少しの熱も無い
何にも起きない
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