蘇生/草野春心
 
かな光が
  すべてを彼女から奪い取ったかのように



  その女は
  それでも意に介さず
  煙草の残りを吸い続ける
  皺だらけの手につままれているそれは
  彼女の骨のようにも見えるのに
  その女は
  瞳だけは変わらず
  気高く
  美しいままで
  私を試すほどに
  私に挑むほどに
  美しいままで



  私は自問する
  その女の手を掴み
  どこでもいい、
  どこか静かな場所で
  二人だけになって
  愛し合うことができるだろうかと
  霜の降りた髪や
  閉ざされた唇
  女の体の
  すべての乾いた部分に
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