転校生/北大路京介
いか。さぁ、ふたりで保健室に行こ。やれ行こう。」
先生が木下の肩をガシっと掴んだ。
「連れてくな!」
その隙を突いて新條が木下と桜子の間に割り込む。
「Oh! My sweet angel 桜子さん! ぼくは新條光! ぼくの気持ちを受け取ってください! 」
新條は軽くウインクして、桜子に花束を渡した。
情熱の真っ赤な薔薇の花束。
「その花は、まさか!」
谷川の丸い顔が青くなった。
谷川が窓の外を見ると花壇の薔薇がなくなっている。
「ぼくの育てた花壇がー 薔薇たちがー。」
泣き崩れる谷川。
木下は火炎放射器を花壇に向けた。
「無残な姿になってしもうたの
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