フランソワ/茶殻
 
お姫様の人形を汚すこどもたちの笑顔
まちが健全か否かを計るすべを知るために

/仮にその娘をフランソワとする
フランソワには許婚がいて
実の父と母よりもふさわしい親がきっとどこかにいる/

開きっぱなしの水道が砂に川を造る
さまざまなボールがもう一度転がる時を待っている

/フランソワの部屋にはたくさんの本がある
それはフランソワが姫だからであって
姫のための音楽や姫のためのドレスも変わらない/

世界は処女じゃないと思う
けれど世界はもしかして童貞ではないかと疑うこと度々

/硬くなった火を見つめていて
フランソワは続いていく時間の速度を
首筋より先には伸び
[次のページ]
戻る   Point(0)