フランソワ/茶殻
 
伸びることのない髪に問う/

公園のゴミ箱に少年は拾ったセミの抜け殻を投げ入れる
スローモーションで重力に招かれる夏は地球の自転の向きに従順

/指輪をはめてみる
陽光にかざす
フランソワにはただそれがまぶしい/

「天使たちは白人の成分で出来てるから
俺たちには何を言ってるのかさっぱりなのさ」

/子供たちはそれぞれにいつか革命を起こす、季節を破壊する
フランソワがそのときどこで泣いているのか
僕にも思い出せたことではない/

読み捨てられた雑誌のなかで裸の彼女は人形を象る
こうもりの森にやがて捨てられるフランソワの頬に伝う朝露

/テレビも消した
パソコンも消した
あくまで偽悪的に孤独の音がした/


//孤独の音がした//
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