初秋/ねなぎ
らない部屋で
眠りながら
あの町の音が
響いているだろうか
炊飯器の立てる
音と香りが
目の前にある気がして
食べ切れない
白米の味が
残っている気がして
あの街角で
何が食べたいかなんて
良く解らない事を
答えた気がして
偲び始めた
匂いの中で
眩しさに見えなくなって
煙の味が変わったら
外乱の匂いがした
それは
とても
ありふれいて
ありていで
あるがままで
いつか
あっただろう
それであれば
いつしか
あるように
いつのひか
おとずれて
あるだけが
なくなっていく
僕らは流れていく
外に
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