初秋/
ねなぎ
に
返事も出来ないまま
夜の内に探した事が
朝日に照らされて
消えて行くように
信じた事は
本当に
何も無くなってしまう
普通に
話が出来たら
良かったのにとか
僕には解らない事を
聞かされながら
カゴの中に入れた
牛乳パックの重さが
腕に残って
あの町の匂いが
今もするだろうか
あの季節の変わり目の
匂いが
今も漂っている
だろうか
ドアを開けた世界が
眩しすぎて
平衡感覚を失って
朝の路上で
通勤カバンを抱えたまま
不確定になる
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