I CAN'T TAKE IT NO MORE/ホロウ・シカエルボク
 
押しやってしまうのは。淀んだ海原の向うで俺は見るだろう、消失したものたちで出来たこの世のものならざるモニュメントを。最後の最後まで記された航海日誌の訳の判らない模様を。気化しない存在の在り方、気化しない記憶の残され方、安いカフェインが植え付けたままの頭痛。俺の叫び声はいつも頭蓋の内側だけで木霊する。認めさせるための狂気なんかひとつも持ち合わせちゃいない。控え目な黒雲の向うになにがあるか見えるだろう、あれは適当に光源を抑えた太陽だ。部屋の片隅で生命の交換を目論んでいる蜘蛛、白い糸は呼吸のように撓む、揺れているのは俺か、お前か?赤い火を見たんだ、あの時一度、腐敗した視界の中で…それがなんのサインだった
[次のページ]
戻る   Point(2)