I CAN'T TAKE IT NO MORE/ホロウ・シカエルボク
 
ったのか思い出せない。俺もある種の生命の交換を求められているのかもしれない、保証されたベッドの寝心地はどうだい、清潔に過ぎるシーツになんか俺は一生横たわるつもりはないぜ、調整されることは死にうんと近づくことだ。俺は自分の配列を変えない。それはそのまま俺の命題なのだから。窓の外を横切る黒い鴉のなお黒い目玉。あいつはきっとなにもかもを見たくてそんな目玉を植え込んだのだ。あいつの羽はまるで行程を必要としない絵具のようだ、一羽で僅かな空を塗りたくりながら何処かの止まり木へと吸い込まれてゆく。「君の脳漿をデザインするんだ」路面電車のうねりと水溜りが告げる時刻。高揚するミュージックと硬直したふたつの目。





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