Plan(2008)/nakahira
いもさせず。
そしてわたしは、からになった。
わたしは彼らが、芽ぶくことなんてとうてい信じられないし、
きみが孕むいきものだということばかりを、
妄信してこのいままで生きてきたんだから。
だからいつからか、ハマユウの記憶だけが咲いている。
いつからか、ヒルガオの記憶だけが咲いている。
花だったものたちはさびしい砂に、
か細い神経を通すようによりあつまり、
わたしそのものが裂果していなくなる前に、
ほしかったものを形づくってくれるのだろう。
たとえば、
それでも風はふくから、それよりもはやくきみは、きみの種子は海のむこうを、
目指していってしまうのだろう、けど。
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