Plan(2008)/nakahira
 
ど。




*


隣で友人が、
幼なじみの女の子に、
好き、
の一言が言えない、と、
死んでしまいたい、と、
呟きながら眠った


外では冷たくもない雪が降っています。
しんしんと音がしているのがその証拠です。
桜は一輪も咲きません。
咲かないまま夏を迎えればよいのです。

私の脇腹に空いた真っ暗な穴を背景として、
伏し目がちな女性や、色の白い母子が通り過ぎていきました
彼女達は、わたし、を一つのノードとしてしか仮想しない公転であり、
または白色矮星によく似た色の孤独でもあり、
そんな星の欠片が冷たくもない言葉になって
私の後頭部をきしま
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