お片づけ/千波 一也
 

かかとの汚れ
かな





さよならを告げる
練習をしていたんだ

思い通りにいかない夕暮れは
そんな小さな焚き火に
興じた

くべる言葉の少なさに
身を震わせながら





きみからの手紙は
行間を読むことにしている

語らないきみの
呼吸にじっと
おもいを
馳せて





ゴールを決めたのは
きみだから

ぼくは
そこまで
せめて、せめるよ

きみが
応えてくれるなら





思い出さないほうが
いいことなんて
一つもない

わかりきってるからこそ
苦しいんだ
こんなに
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