お片づけ/千波 一也
聞いている
※
守れなかったことの
寂しさが
悔しさを
呼ぶ
守れなかったことの
悔しさが
寂しさを
深くする
なにを
守れなかったのか
それはきれいに
忘れても
※
きみの願いの
うつくしかったことを
ぼくは信じてみるよ
きみの願いの
けがれを語ったりしたら
ぼくはこのさき
なんにも
願えない
※
履き古した靴の
いったいどこが
いとおしいのだろうね
指になじむ
紐の擦り切れ具合かな
無難に選んだ彩りの
褪せ具合かな
どこの物かもわからない
あちらこちらの
か
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