梅田周辺/メチターチェリ
 

 その後、ぼくらはウィンドウショッピングをし、ジョイポリスで遊び、夕食を食べて、カラオケをした。カラオケを終えたのは九時過ぎで、紀子は疲れているようだった。

「眠そうだ」
「大丈夫!」
「昨日は結局寝られてないんじゃない?」結婚式とか、仕事とか、家の件で。
「楽しみにしてたからさ! ほら、遠足の前の日に寝られなくなるでしょ? あれと同じ」
「ということは、やっぱり寝てないのは事実なんじゃ……」
「ぐぬ」

 紀子について、ぼくが知らないことは多い。
 彼女は自分のことを多く語ってくれたが、ある境界以上のことについては、決して語ろうとしなかった。
 もちろん、語られない部分
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