午後の枕木/たま
 
、Hは語ろうとはしなかった

 ねぇ、今夜は呑みにいこうか

 よし、いこう!
 でも・・、あしたの用意はできてるのかぁ?

 うん。 できてるよ。あたし、身軽だもん


Hの部屋のせまいベッドで身体を半分ずつ重ね合った
まま、夢の中と外で何度かHと交わった気がしたが、
どこまでがほんとうなのかわからなかった

目覚めた朝に雨は止んでいた


午前十時を過ぎた新幹線ホームには、遅い朝日が差し
て若いカップルたちの笑顔があった

 東京の線路はきらい・・

列車を待つホームで線路に視線を落としたまま、
Hがぽつりとつぶやいた

 えっ・・、どうして?
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