そして君はもしかしたら鳥になるつもりなんだ/ホロウ・シカエルボク
 
ちゃいそうな気がするよ」「まあ、戻らないから言えるのかもね、こんなことは」

山頂を目指して僕たちはもう一時間以上歩いている。「疲れないよ」と僕の気遣いも待たずに君は言う。そして、平坦なところで立ち止まって右足に体重をあずけてみせる。「こうすると休めるんだ、結構」僕は吹きだす。笑った僕を見て君もにっこりする。「涼しいね」「そうだね、汗が気にならない」林の中ってこんなに涼しいんだね」なにかが草の中を駆け抜ける音が遠くでする。僕はさっきからそいつが何なのかを確かめようとしているのだけれどどんなに音のする方を探してもその姿は見つけられない。なにをキョロキョロしてるの、と君が尋ねる。僕は説明する。あ
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