そして君はもしかしたら鳥になるつもりなんだ/ホロウ・シカエルボク
ったくらいのことでは。
義足になってから歩くのが楽になったとこの三ヶ月の間に君は何度も口にした。「もちろんちょっとした技術とか必要で、それはすごく面倒くさいんだけどさ」と前置きしながら。「いろいろなバランスがうまく取れるようになった気がするんだ」「もしかしたら私の右足は初めから要らないものだったのかもしれないな、なんてさ」ふうん、という顔をして僕は聞く。そういう話は判るような気もするし判らないような気もする、と思いながら。「もちろん元に戻してくれるって言われたら戻してくださいって言うかもしれないけれどね(笑)だけどどうなんだろう、もしそんなことが出来たとしてももう私は一生ぎくしゃく歩いちゃ
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