遺書にはならない足跡/セグメント
 
ィブとは呼べないように思うし、その逆もまた然りだ。私は私として、こういった考えを持っている。こういった日常に生きている。また、そこから脱却する為の一環として、これを書き綴っている。ただ、それだけのことなのだ。

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  私が生まれるよりも以前に誕生している映画のひとつに、「Kramer vs. Kramer」という洋画がある。その役者インタヴューの中に、「病人に選択肢はない」という言葉があるのだが、まさにその通りだと、先日、久しぶりにこの映画を鑑賞して思った。これを観るのは二回目になるのだが、最初の鑑賞時に役者インタヴューまで観た記憶がない。だが、当時の私が同じ言葉を耳にしたとて、今と同
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