遺書にはならない足跡/セグメント
と同様の心情になったかどうかと聞かれると、イエスとは言えない。それは単純に時間の経過による私自身の成長や価値観の変化などが要因になる可能性だけによる回答ではなく、メンタル面での「病んだ」という状態をおそらくは経験していないからだ、当時の私が。
「Kramer vs. Kramer」という映画に出て来る登場人物のひとりは、自殺寸前まで精神を病んだ状態になる。その描写は少ないが、それを演じた役者の言葉だ。「病人に選択肢はない」という言葉は。
私が精神を病んでいるのかは分からない。知らない。だが、メンタル面を安定させる為、不安を取り除く薬を服用しているという事実はある。医者から病名を告げられたわけ
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