遺書にはならない足跡/セグメント
 
も。
 勝つとか負けるとか、プラス思考とかマイナス思考とか、ポジティブとかネガティブといったような表現が私は好きではない。おそらく、高校生の頃に担任教師が幾度も幾度も繰り返したせいのような気が漠然とするが、それ以上に多分、私は思考や感情に符号を付けることが好きではないのだと思う。どんな思考であれ、どんな感情であれ、それはただ、それだけのものとしてそこに存在するのみであり、形容の必要などないと考えているように思う。私自身にも理由はあまり良く分からないが、とにかく、思考や感情にプラスもマイナスもないと思うのだ。
 一見すれば、暗いことばかり書かれているようなこの文章でさえ、私はマイナスやネガティブ
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