遺書にはならない足跡/セグメント
主人公がいる。たかがゲームの話と思われるかもしれないが、私は今もその言葉が非常に印象強く胸に残っている。今の私にはその言葉を否定も肯定も出来ないが、確かに生きることに意味などないのかもしれないし、求めてはならないような気すら私はしている。求めるから疲れるのだ。最初からありもしないものを。
思うに、自殺を考えたことのない人間に、自殺を考えている、あるいは考えたことのある人間の気持ちというものは分からないのではないか。人間は、自らが体験したこと以外のことには鈍く、理解しづらく創られているように思える。無論、私も含めてだ。百聞は一見にしかずという言葉もあるように、幾ら聞いても分からないことはあるし、
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