遺書にはならない足跡/セグメント
たいという気持ちは偽物なのだろうか。純度の低い、紛い物なのだろうか。宝石にたとえられるような感情では決してないが、インクルージョンを多く含む使い物にはならない、取るに足らないものなのだろうか? そう思って泣いた私がいたことは事実だ。紛れもなく。それなれば黙って死ねば良かったのだろうか。そうしたら、あの子は本当に本当に紛れもなく真実、死を考えて実行してしまうほどに悩み苦しんでいたと「評価」して貰えたのだろうか。いや、私は「評価」して欲しかった、あるいはして欲しいのだろうか?
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「評価」とは少し違う気がする。ただ、私は分かって欲しかったのだ。本当に私が死を想うほどに苦しいということ
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