遺書にはならない足跡/セグメント
比べるものではないのかもしれない。世の中、私よりもっともっと大変で生きるにも
苦しい人々が存在するだろう。福島では、今も不安に押し包まれている方々が本当に多くいるだろう。だが、乱暴な言い方になってしまうが、それは直接的には私とは関係のないことなのだ。もっと言ってしまえば、私が被災していないからと言って、苦しくないことが正しいわけでもなければ、苦しいことが正しいわけでもない。
ただ、震災以降、少しずつ車輪が軋みを上げるように私のさびしさや苦しみは浮き彫りにされ、日々を不安に苛まれ、病院嫌いの私がメンタルクリニックに通い服薬することで何とか日常を日常たらしめている。そうあろうと努力している。
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