遺書にはならない足跡/セグメント
 
は非常に気が進まない。外国に逃亡したい気持ちもある。だが、私の友人にはここまで気にし、思い悩んでいる人間はいない。多少は気になるが、なるようにしかならないし、今、気にしすぎても仕方のないことだというのが概ねの意見だ。実家住まいで自分が料理をすることがない友人は、食卓に並ぶ料理がどこの野菜で作られているか気にしたことは私に聞かれるまでなかったという。私にはとても信じることが出来ない。本当に、気にしていなかったのか。本当に、気にならないのか。私は長年の友人を少し疑ってしまったほど、この日常に溢れている放射能を毎日毎日毎日、気にしてしまっている。これは異常なことなのだろうか?
 見渡せば、外食をしてい
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