そしてあらゆるものが過ぎ去ったあとを/ホロウ・シカエルボク
 
かを見つけたことはこれまでにないし
これからも、たぶんないだろう


冷房をつけると寒さがこたえるが
温度を上げるとカビの臭いがひどいんだ
だからこの部屋には寒いか暑いかしかない
まるでまだ世界が小さな社会だった時代の出来事みたいに


がぶ飲みした水が全部小便になって出て行くまでは
膀胱の性能テストをするかのように寝床と便所を行ったり来たりする
小便が近いということは
なにか重要な役割を担っているはずの砂時計が
逆さにしたのに砂を落とさないというような無力感に似ている


どこのどんな場所にも雨なんか降っていないのに
俺だけが雨の音を聞
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