世界=内臓族/paean
界のほうを内臓にしてしまえばわたしは楽になれるって、話す姿がすごく格好良かったしおもしろそうだったから受けたのだ。手術はたいしたことなかった。そういうわけで、わたしのからだのなかではまいにち戦争が起きている。からだのなかで黒い子どもが産まれて飢えて死ぬ、また産まれて飢えて死ぬ。女の子が引き倒される、服を裂かれている、やめて、見たくない、やめて、目を覆ったって消えない、彼女が、山羊が、牛が、コンプレッサーに挽き潰されて涙をこぼす、あひる達が、金属の柵の中一列に並んで、アルハラの啓蒙広告みたいに喉の中、漏斗を突っ込まれる。そうしてすばらしい風味のフォアグラが出来あがる。「どうぞ召し上がれ」?お断りしま
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