小詩集【流星たちの夜】/千波 一也
 
け込んでいる

そうとは知らずに
みんなみんな逃げるけど
逃げられるつもりで
逃げるけど
夜には
誰もが
見上げてる

深まりゆく水に
そまり始めたことなど
まったく知らないで





四 散りゆくものへ


かがやいた、ら
それで終わり

わずか
数行の詩のような
流れ星です、
こんやも

けれど
それほど哀しくないのは
あんなにきれいな
一瞬だからで
私は
まるで
少女のように
宝石の名などを
並べたりして
かがやいたの、
です

だから
もう、終わり

きのうの私も
おとついの私も
わずか数行の

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