言葉のゆくえ??夜のめるへん/佐々木青
の商店街は、ただの店じまいなのか、いつもシャッターをおろしたままなのか分らないほどに静かで、歓迎されないまま私はしずかに歩きだした。
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相変わらず風ばかりがその存在を主張している。思えばシャッターに目がいったのも、シャッターを叩き鳴らしながら通っていく風のせいだ。ああ、風というのは案外でしゃばりなのだと、このときはじめて気付く。
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まっすぐ歩いて、いろいろな路地の暗闇を見てふるえる。ときに妙な虫が激突してきて、「おっと、ごめんよ!」と先を急いで飛び抜けて行った。彼はすくなからず今の私より忙しい。
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私は頭をかきむしりながら夜の街をねり歩く。街灯
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