言葉のゆくえ??夜のめるへん/佐々木青
 

鳥たちもさわぎはじめた。彼らが何を言っているのかは私にはわからない。あまりに生活感のある言葉は私の耳には届かない。そのかわりに公園の片隅でねむっていた猫が起き出して来て私の方へとやってきた。深い眠りの中心にある公園にやってきたよそものを警戒するようにして。ところが彼は不思議に光る瞳で私を見つめ、憐れんだ。
「どうだ、よかったらこの公園にいてもいいんだぞ。ただ、あのやかましい鳥たちをどうにかしてくれたまえ」
私は鳥たちに話しかけられるほどに背は高くないし、公園に住むつもりなど毛頭ないので、猫の好意を丁重に断って、風が憩う公園を辞した。

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かくて私は座る場所をなくした。夜の商
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