イギリス/梶谷あや子
考えて
オリーブ色に眩(く)れる町の外へ
あともう少しだったけど
結局は君だけしか残らなかった
もしも雨になるとしたら
いちばん高いところに響く。きっと!
あの静けさ―
(でも、俺のこの卑しさは、どこから?
来るのかもわからないのに…
どこへでも行って
好きなようにすればいい
どのみち君は 俺を押し戻すだろう
眩しい町に取り残すのだろう
甘い太陽に
もう一度目覚めて
まだ海を忘れないでいることを
俺が君を通して願ったことを
さあ考えてみて、
もしどこかへ帰りたいなら
いつか 俺のそばまで来る日には
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