夕暮れみたいな明方がかわいた声を探すころ/ホロウ・シカエルボク
 



汚れた布を剥ぐように一日が終わろうとしている
最後に君は精一杯の化粧をするみたいに
うろ覚えの心を駆使してそうだ
うたを、うたを、つくるんだ

ギターの弦は錆びていて
すぐに指が痛むけど
まるで一刻を争うように
うたを、うたを、つくるんだ

君がうたう歌のことを僕は知ることがない
僕がうたう歌のことを君が理解しないように
そうして日付はどんどんとそれぞれの終点にむかって
一目散に走ってゆくのです


吐瀉物を流すように一日が始まろうとする
目覚めた君は蝋細工を上手に仕上げるように
定期的で機械的な指先でもって
うたを、
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