あおいそら/寒雪
 
持ちのひだを
必死にかき集めては
分かり合えた気分に浸っていたあの頃
なにも見えなくなるほど暗い
月が消えてしまった夜空を見上げて
手探りに体をまさぐって
その感触に心の輪郭を感じ取って
なぜだかおかしくなって
こらえきれずに忍び笑いを漏らすぼくに
きみも微笑を返して
夜明けなんて来なければいいのに

無邪気に見えるほどはしゃいだきみ
今ぼくのそばで
その言葉がいつまでも
ぼくに添い寝しながら子守唄を歌う
耳の奥底で繰り返す旋律の意味を
今ならぼくはわかることが出来るよ
あの時の笑顔の下に隠されたモノを


あのね
いつか
みんな
みんな
この世
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