なみだの虹/yo-yo
けていく。やがて白い紙の上に、ひるま見た涙の虹が再現する。
彼だけが見ることができる、小さな涙の中の、小さな虹。
「小さなものの中に人生が見える人」だと、谷川俊太郎はいう。
「顕微鏡の目と望遠鏡の目を併せもっている」人だとも。
顕微鏡の目でアリの世界を見、望遠鏡の目で宇宙まで覗いてしまう。
その詩は、はるかな宇宙飛行士の心にまで届く。
宇宙ステーションで、毛利さんが朗読する彼の詩が、電波にのって地球に戻ってくる。
生きものが 立っているとき
その頭は きっと
宇宙のはてを ゆびさしています
詩人は、宇宙の果てを見つめている。人間はなぜ詩を書くのか、
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