サロモン屋敷/salco
夕も
古池探しの蛙が輪禍の路上肉煎餅
旅疲れた足でもあるかのように
濡れ縁に足投げ出して物思う
大島にすててこのサロモン氏
何思う
ジパングを夢見た訳ではないけれど
シーボルトが見、最後にロティが見
ゴッホやモネも憧れた、夢にまで見た国
もはや風情も払われて
TVからは夜もすがらパレスチナの遠い銃声
その次に、スペースシャトルの秒読み開始
忘れじの
日米経済摩擦と日米安保のそぞろ細道
ペルリの船がこじ開けた浮世の肌(はだえ)が
ある筈もなく
サロモン氏の留まる故は
足しげく墓に参る仁にも似るか
その家は
まるで時代に取り残された
武家屋敷の如く
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