サロモン屋敷/salco
 
、メロンにトマト胡瓜にキウイ
ジングルベルにスペルの横溢
北斎の日本、広重の日本びとの末裔が
太秦(うずまさ)式の時代劇
伊賀の忍が紫のライクラ®装束
イヤフォンを両の耳に突っ込んで
スラングだらけのへヴィーメタルを
ステレオアンプに轟かす隣家の娘
比べりゃ大事じゃないけれど
老ハウスメイドの作法の悪さ
がさつな振舞い佇まい
だがサロモン氏
ここに骨を埋めるつもりとか

塀の中の小さな日本
軒下でちんまりの庭を眺めては
松尾芭蕉をひとくさり
「旅に病で 夢は枯野を」
如何せん句の一つにも浸るには
やはりちと車道に近過ぎはする
蕎麦屋帰りの昨夕も
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