杞憂/あおば
雲が切れた空からはこれでもかというくらい熱い光線と
目には見えない紫外線が降りそそぎ腕がひりひりする
みるみるうちに身体から生気を奪って行く
喉が渇き
食欲も失せて
立っているのも辛くなる
遠くを快速電車が轟音を立てて通り過ぎる
エアコンの効いた窓は閉め切られていて
別世界の住人を運んでいるのだと宣言している
財布の中身は空ではないが
コンビニはおろか販売機もない
納豆売りも豆腐屋もアイスキャンデー屋も通らない
トコロテン屋が来るとしたら
それはテレビの撮影の為だけだろう
無慈悲な仕打ちを受けているような気になって
手持ちぶさたのまましばらく呆然としていたが
ケ
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