【批評祭遅刻作品】自分の体臭で書かれた詩/るるりら
ことのない旅にさまよい出た
ほんとうのあなたが
その異形の腕をたかくさしのべ
おなじ多くの腕とともに
また堕ちかかろうとする
呪いの太陽を支えるのは
いまからでも おそくはない
戦争を厭いながらたたずむ
すべての優しい人々の涙腺を
死の烙印をせおうあなたの背中で塞ぎ
おずおずとたれたその手を
あなたの赤むけの両掌で
しっかりと握りあわせるのは
さあ
いまでもおそくはない
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わたしの父と弟は かつて原発で働いておりました。
わたしは核の恐ろしさを教育されて育ちましたが
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