愚劣な牙のトランジスタ/ホロウ・シカエルボク
け…そもそも近づく以上のことなど人ごときに出来ることではないのだ、そうさ、左脚のつけねからじゃなければ感じられないメスを攻略するようにさ…なあ、生命とは、魂とは、いったい何なんだ?触れることのない臓腑の様なものか?超自然的な暗闇の中で目を見開いて、吾身が亡霊になるのを見ている、その時間、声はどこにもエコーしない、それは放たれる声ではないから、発音される言語ではないから…未発達な胎児の群れのようにそれは零れてくる、すべてを救うことなんて出来ない、すべてを育むことなんて…選ばれなかったものたちは膨張して破裂していく、ごめんよ、ごめんよ、お前たちをすべて抱えるには俺の感情は脆過ぎるんだ、断続的な気狂いが
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