愚劣な牙のトランジスタ/ホロウ・シカエルボク
いが俺を正気に引き戻す、そうさ、まるで観念的なカルテを目の前でばらまかれているみたいさ、柔らかで湿気た破片を浴びて、鼻が曲がるような臭いはなぜかどうしようもなく哀しくて、だけど泣けない、泣けない、泣けない、俺は泣けない、俺はそれを認めるわけにはいかない、俺は涙とともに在るべきではない、涙とともに在るべきでは…それは許されるための理由みたいなものだから…感情的な詩人は笑えない道化、心の底で死んだものたちがポエジーになるのに、なぜ生身のままで曝そうとした?すぐに生まれるものは育まれない、すぐに生まれてくるものたちは育まれる運命にないぜ、吐かれた唾みたいに路の上で渇いてゆくだけだ、インパクトなんてヒロイズムと同等の滑稽で醜い代物にすぎないさ、すぐに勃起するイチモツと同じ事さ、人気のない路地でしか輝けない哀しみになど俺はなりたくない、俺はなりたくは…膨張する虚ろな影、最早昼も夜もないある一点で、試すみたいに重力を変えるなにかがくるぶしを噛んでいる、そのせいで俺の歩行はほんの少しいびつな影になる…ハロー!噛みつきやがれ!
戻る 編 削 Point(2)