愚劣な牙のトランジスタ/ホロウ・シカエルボク
 
手首まで突っ込んで温度を感じたい、総毛立つような感触、いつか俺がそんなことが出来たと感じるとき、指先に感じるものは、生きているのだろうか?ドクドクとした血と、その他の体液の流れを感じるだろうか?それともじっとりとしたままで、草臥れて動かないのだろうか?体内に思いを馳せること、体内に思いを馳せること、体内に思いを馳せることがネクストを予感させる、ネクストは曖昧なものでなければならない、曖昧なものでなければそれは完成している、それはもうネクストとは呼べない、完成させたいわけじゃない、今もっともふさわしいやりかたで吐き出したいと考えているだけ、身体が最も欲しているやりかたで、最も近づいたと思いたいだけ…
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