愚劣な牙のトランジスタ/ホロウ・シカエルボク
したさ、だけどそれは欲望じゃなくて意地みたいなもんだ、そうさ、本能で生きて行くことなんてそんなに大事じゃないはずさ、少なくとも二〇一一年の今となっては…執拗なまどろみの寸断のあとに翌日が窓ガラスにへばりついて圧力をかけてくる、明けない夜はない、明けない夜はないぞ、明ける夜は、明ける夜はまるで霊魂のようだろう、霊魂のようにネクストを彷徨い続ける、だけど霊魂に行けるネクストなんて大概限られている、留まるということが霊魂の宿命であるのなら、だったら彷徨うしかないのさ、だったら彷徨うしか…ネクストのない彷徨い、ネクストのない彷徨いだけがそこにはあるんだ、ネクスト、いまこの時しか感じることの出来ない生き物に
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)