空白にかえる/ズー
 

教会にいく日曜日まで
まだ何日間かあった朝に
ぼくはゆびさきにひとつ
ひとつ、あなたに纏わる
ことばをつけて
黒目の上にのせていた
瞼の裏側に一文字だけ
引っついて、痛がゆく
なってきていたぼくは
鏡にうつっている自分に
こう、言い切れたはずだ
ぼくのなかに入れた
ことばたちはあなたを
信じる天使みたいな
ものなんだと、
実際にはそんなこと
ばからしくて言えなか
ったけど、空白になった
本の一部分にあなたの為
だけの、ことばを
書いてみた

「イエスさま、
ぼくの涙をみたことが
ありますか?
ぼくはないんだ
でも、時々ぼくの涙を
夢のなかで
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