黄金の牛(更新中)/みつべえ
 
悠々自適をしているやつを見ると、腹が立ちますよね。その上、なにより鼻持ちならないのは、ジェル本人が自分自身の美しさを、こよなく愛していることです。なにしろ鏡にうつした自分の裸体に、うっとり見惚れる始末ですから。まるで、ナルシスの再来であります。

そんなジェルにも、どうにもならない悩みがありました。
それは、歳をとりたくない、いつまでも若く美しいままでいたい、というワガママな思いなのでした。
こんなやつとは友だちになりたくないものですね。
後ろから突然なぐってやりたいな。

ひとは、その生の過程のどこかで、成熟と腐敗の境い目を越えなければなりません。いかなる佳人も、寄る年波に腰は曲が
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