木々の家々/長押 新
 
たのかもしれません。にもかかわらず、わたしたちは今はじめて契約を交わすかのような、静けさの中にいました。それであなたに、友達というのが他にいるのは、皆さんが知っている事実でしょう。今朝なんか、あなたが生まれてから四ヶ月ばかり過ぎて、こちらに生まれて来た、あなたが決まって、四ヶ月の待ち人と、呼んでいる女性に挨拶をしたところなんです。彼は、自らと、わたしが引き起こした、静寂に、取り付かれないようにと、いつもより早口で喋るのでした。わたしは下を向いていました。本当に伝えたいことを、小鳥の飛ぶように話すのは、真実のところ、このように幾多の木々に小鳥を休ませねばなりません。そのうち休んでいた小鳥の方が、木々
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