あす君のそばへ行きたい/ホロウ・シカエルボク
たいていのひとにはなんのことだかすら判らない
ポテンシャルは
たいせつなものとしか確かに通電しない
あす君のそばへ行きたい
あす君のそばへ行きたい
だけどいまの僕は
誰にもなんにも誇ることが出来ないごくつぶし
バス停で、駅のホームで
空港で、港で
そこから出てゆくものたちをずっと眺めていた
あす君のそばへ行きたい
だけど僕には切符を買う金さえない
おさないころ約束したね
かねもちになるんだって
なにかすごいことをして有名になって
大きなビルのいちばん上でのんびり暮らすんだって
あす君のそばに行きたい
だけど君はきっと
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