さくらぞめ/
亜樹
少し寂しそうな顔をして、それでも承知してくれた。
「帰ってくるんだよ」と、それだけ云って。
僕は頷いた。
できようもないと、わかっていたけれど、それでもちゃんと頷いた。
ざ、ざ、ざ。
ざく。
ざく。
ざく。
……ざく。
かたん。
「何にも、ないね」
「うん」
何刻かたって、疲れたらしい沙名はスコップをおいて今まで自分が掘っていた穴の脇に腰掛ける。悴んだ手が土に汚れ、細かく震えていた。
「痛い?」
「平気よ。琥
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