たどたどしい進法の季節、かさばる目覚めに血を掻いたなにか/ホロウ・シカエルボク
ーキーウーキー、俺は唸るみたいにメロディーを探して
不精な眠りはそれなりに供養されて時に消化される
上書きされてく虚ろなデータ
路面電車が今日何度めかの
むずがりのようか揺らぎを落として
また誰かが車輪の運動によっていずこかへ運ばれてゆく
良いも悪いもない
役割だけが日捲りを捲るいずこか
汚れた身を誇りにして
飲み込んだ言葉を勲章にして
いくつかの世代と
いくつかの世帯と
ふるいの中の
いくつかの欲望のために
本当に手にしたことなんて
きっと一度だってなかった
生身の身体にしがみつく理由なんて
きっとそんなとこにしかないはずだから
雨の歌
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