地球を包み込む、大気の話/狩心
その速度は聞こえているか、眩しく辛い、暖かな太陽に沢山の太陽が重なっているか、
重なり、質量が増していく、震える放射物の弾丸の中で
回転している数々の点、そこから伸びる数々の線、
網目状に編み込まれた世界の、弦楽器的な振動、共鳴音階
水分はもうすべて蒸発した、息も絶え絶えのサウナ状態で
体は痩せこけて、骨と筋と皮しかない
皮は皺だらけで、水のない川や谷、断崖絶壁の岩山ばかりで腐乱飛行し、
あらゆる地点で自爆テロやマシンガンが乱射されている
古代文明の象形文字的な壁画が体中に張り付く、
赤い血液に向かって突進する猛牛の死の形相が耳に煩く
岩石人間の己は砂臭
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)