盲目/はるな
 

きれいな字を書く女の子は目がみえなかった。


そこにはまったく目のきかない子供たちがいた。


子供たちは目が見えないところ以外は、そうでない子供たちと大差なかった。
つまりそれぞれの子供たちはまったく似たようにしか見えず、また、どの子供も理解できないほどそれぞれに掛け離れていた。


そこにはたびたび慈善団体の人々がやってきた。一緒に菓子をつくったり討論をしたり、点字で手紙を送りあったりした。


ある年にそこで慈善団体によって行われたクリスマスパーティーにサンタクロースが来た。
それで、女の子は字を練習したのだ。サンタクロースはきっと、目が見えるだろうから。
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