恋人はできたけど/はだいろ
また、
Tシャツの裾から、
手をつっこんで、
やわらかいおっぱいのどこかにあるという、
乳首を探しに、旅に出たけれど。
ふとももの特等席で、
青い血管を舌でなぞってたら、
ぼくは、それで、満足して、眠くなってしまった。
スピーカーに、
彼女がつまずいて、音をたてたので、
ぼくが目を覚ますと、
もう帰ろうとしている。
なんだか悲しそうな目をしているから、
ぼくも悲しくなって、
どうしたのと聞いたら、
なんでもないと言う。
雨がざんざん降り出した。
ぼくは抱きしめて引き寄せて、
服をぜんぶ脱がしてしまう。
ぼくが悪かった。
ごめんね。って謝る。
ぼくは血が苦手
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